深い霧のたちこめる漆黒の海―姿なき『幽霊船長(ゴーストキャプテン)』が舵を取るとき呪われた客船は血塗られた洋上の“密室”に変わる。

旅館の婿になるため皆生温泉へ行ったはずの十津川警部の部下、小田刑事が失踪。

東京・四谷のNホテルの庭園で女性の刺殺死体が発見された。

銀座で宝石店を経営する小田冴子が、お遍路姿で失踪した。

完璧な美貌に抜群のプロポーション、そのうえ成績はトップクラス。

ニューヨーク、ワシントンDCと場所を変え、生命の危険にさらされ続けたダービーが協力を求めたのは、新聞記者のグランサム。

謎めいた会館クラブ“レトロ館”。招かれた滞在客は誰もが主人を憎んでいる―。

覆面作家飛鳥彰の連載「人麻呂の悲劇」が開始された。

文芸編集者笹谷美緒のもとに、覆面作家飛鳥彰から週刊誌連載の話が持ち込まれた。

平成六年十一月、日美子は夫の二階堂警視と宝塚公演「雪之丞変化」を観劇、そこで三人組女子大生の一人に死相を見た。

新宿副都心の高層ホテル。

影山隼人と真柄慎二は八ケ岳登頂の最中、若く美しい遭難者・湯浅貴久子を救出した。

殺された若い女性の部屋は、窓やドアが完全にロックされておりごていねいにもチェーンまで掛けられていた。

現在、世間で通用している年齢感覚や価値観は、人の寿命が六十歳までの時代のもの。今となっては過去の遺物だ。

日下くんは、いまごろ、アイドル・タレントの愛坂レイラと一緒に、ホテルに。

七夕の飾り付けで街が彩られた平塚の路上で、中年男が変死した。

中学時代憧れていた山岡が、医師として村に帰ってきた。久しぶりの再会をした真紀だったが…。

元一等航海士・神尾修二が法律事務所の調査員を始めて一年。奇妙な依頼が舞い込んだ。

とがった顎、不釣り合いなほど大きな目、そして細い指…。

パソコン通信が生みだした幻のアイドル「姫」の正体をめぐって通信仲間は大騒ぎを繰り広げていた。

「エイミー、ショットガンを持ってこい」父の叫び声に驚き、幼いオリバーをその場に残して急いて駆けつけた彼女は、呆然と立ちつくした。

ウィリアム・スタンディッシュは英文学者。義理の祖母にあたる詩人イザベルを論文の対象にする彼は、イギリスに旅立つ。

春の午後、ひとりの主婦が惨殺された。難航する犯人捜査があらわにする人々の心の奥底にひそむ哀しみと、悦び。

新型麻薬の流通ルートを追い、女刑事レノアは捜査を開始した。

クィラランは、彼の広大な土地のなかにあるりんご貯蔵用納屋を改造して引っ越した。

28歳、独身のOLの麻矢子は、ひそかに思いを寄せていた杉野が妻に蒸発されたということを知り、心ときめく。

綾子が青ひげにさらわれた！三姉妹初の海外篇。

精神病院を退院して三日後に出会った男に、贅沢な旅を約束され、パリにやって来たマチコ。

夫を裏切り、妻を捨てた不倫の愛の逃避行―広漠たる砂漠に死を求めて彷徨う女と男の愛の無常を描く長篇。

ご存知、南条家の双子姉妹。外見は瓜ふたつ、ライフ・スタイルと性格は正反対。

愛犬家の女は、人をあやめて処分を言い渡された犬と、心中の旅に出る。

「あ」が使えなくなると、「愛」も「あなた」も消えてしまった。世界からひとつ、またひとつと、ことばが消えてゆく。

加藤武郎は、その類稀なる体力と判断力、そして登攀の技術で伝説のクライマーとなる。

釣部渓三郎が“最後の客”として店を出たスナックのママが、その夜から血痕を残して失跡した。

空想は、ぽかりとは出てこない。

博多で史跡調詐査中、浅見光彦は白骨を掘りあてた。死体は、九州進出を画策する流通グループの幹部。

創作のエピソード、裏話、時に筆は世の矛盾に対してまで及ぶ、浅見光彦ファンも必読の、感涙、感動のエッセイ集。

当たり屋とダライコ屋と拳法家くずれが企てた大胆不敵な誘拐。ノンストップ・ハードボイルド。

晩秋の能登のホテルの一室で美しい人妻が服毒死した。室内には青酸ソーダ入りの缶ジュースとルームキーが転がっていた。

高さ二十メートルの柱の中ほどに、紺色のスーツを着た男が吊りさがっていた。

早すぎた峰起の行く末を見据えて冷徹な決断を下すアイヌの首長。暴虐と裏腹に内紛を抱えこむ松前鎮撫軍。

フランス革命が全欧を揺さぶり、ロシア船が親潮にのって日本近海を脅やかし、田沼意次の失脚で松平定信が政権の座についた十八世紀末。

その朝、休暇を返上して警察本部に出頭したフィンチ首席警部を待っていたのは、いささか風変わりな事件だった。

第15回横溝正史賞受賞作。巨大な警察組織の中で、個を見失わず放縦に生きる女刑事村上緑子。

第15回横溝正史賞佳作。宏壮な屋敷に再現された殺害現場。

入院患者と恋に落ち結婚退職した鶴来総合病院の元看護婦・神谷奈々の招きで、北海道は札幌へとやってきた脳外科医・柏木陽一は、不可思議な事件に遭遇する。

宇治橋での殺人事件。その嫌疑をうけ、被告として法廷に立ったのは、行天珍男子巡査部長だった。

わたしは、オフィスを間借りしている保険会社から不審な保険金請求の調査を依頼された。

女性作家ベネットが愛児を急病で失い、ショックで倒れてから何日過ぎただろう。

弁護士の中原と秘書の京子は、6日前、新幹線の車内で毒殺された男の手懸りを求めて、名古屋港から南海の孤島・恩根島に向かっていた。

戦争で負傷したヘイスティングズは、旧友の招きにより、閑静なスタイルズ荘で静養することになった。

わが国広告業界の歴史を回顧しながら、一世紀に跨る殺人の謎を解く筆者畢生の大作。

女探偵(ウーマン・アイ)・竜崎幸はある日十五歳の少年から「死んだ兄を探してくれ」という奇妙な依頼を受ける。

六年半前の月蝕の夜、美島夕海の姉・紗月が惨殺された!―夫の明日香井叶ではなく、双子の兄・響を伴い、鳴風荘を訪れた深雪。

老朽化した自動車や家電製品を解体する場所で、車のトランクの中から焼死体が発見された。他殺か、それとも焼身自殺。

燃えるような紅葉に彩られた晩秋の北アルプス上高地で行われた映画『黒い断崖』のロケ中に、新人女優北川由希の拳銃から実弾が発射された。

学生時代、アイドル視していた女神のような女・今日子と共に、作家・北村直樹が訪れたことのある厚木の古沼で、北村が会社をやめる原因となった秋本道夫の遺体が発見される。

好奇心のおもむくまま奔放に広がる一話一話が、意外性に満ちた新発見をもたらす。

浅草生れ、浅草育ちの山内鬼一は、「鮨芳」を営む鮨職人。

「あなたは検察審査員候補者に選ばれました」高校教師・佐田のもとに届いた一枚の葉書。

銚子市・犬吠埼沖で、大漁に沸くイワシ漁船が女の水死体を発見した。

夢でみたような艶っぽい話からゾッとするような現実の恐怖まで。

多くの読者を魅了する推理小説家の著者が、プロデビュー前に書いた作品。自動車事故で失った記憶を求めて綴られる日記。

世間知らずの妻がこさえた借金の尻拭いのため、パチンコ景品交換員のアルバイトを始めた、しがないサラリーマン・新平。

頭が良すぎるばっかりにいつも孤独感を抱える10歳の天才少年ジョシュ。

「ある理想の死に方」、「墳墓、葬式に及ぶ死後における身の処し方」、「安楽死」、「高年齢性痴呆」、推理小説的構成で人類普遍のテーマに挑む。

ヴェネツィアで消えた富豪の生死を確かめてほしい―刑事警察のゼンは、昔の恋人から思わぬ仕事を頼まれた。

謎の凧の意味は。縺れた殺人の糸を辰の推理が解く。

ひょんなことから警察に追われるはめに陥った黒人家政婦のブランチは、身を隠すためにある富裕な一家の別荘で働くことにした。

大破局のショックで部分的記憶喪失に陥った如月烏有は、寺社に繰り返し放火して回復を企る。

大手弁護士事務所で多額の使途不明金発覚、容疑者は同事務所内の行方不明の弁護士だ。

ヴィクトル・ユゴー街のアパルトマンの広間で、血の池の中央に外出用の服を着け、うつぶせに横たわっていた女の死体は、あるべき場所に首がなかった。

ハネムーンで殺された新妻との思い出の地・十和田湖で、刑事西本は亡き妻そっくりの女性みな子に出逢う。

騒々しかった休戦記念日の晩、ピーター卿はベローナ・クラブを訪れた。

南フランスの避暑地で富裕な老婦人が惨殺された。宝石が奪われ、同居人の美しい少女が姿を消していた。

頑固一徹の強引な捜査ぶりがたたって、警察を辞職した元警視ピーター・ダイヤモンド。

あの女だ。あの女に間違いない―。

リュウ・アーチャーやフィリップ・マーロウやマイク・ハマーや、とにかく、その種の探偵小説を読んでいると、そこに自分の願望と人生の理想がうっとりするほど投影されているのだった。

1986年10月、ベルリン。欧亜交易社員の神崎哲夫は、とつぜん窮地に陥った。

京の二条城の南に軒を並べる公事宿のひとつ「鯉屋」を舞台にした連作時代小説。

本格推理の高峰をめざす13人の新鋭たちが登場した。今回の13編はどんなトリックで読者を魅了するのだろうか…。

ハイチ国内に基地を持つ私設航空隊クチーヨスの支援を受け、麻薬の密輸を進めるメデジン・カルテル。

元沿岸警備隊管区司令官ハードキャッスルと、元関税局の女性特別捜査官ゲファーの二人を中心に、新組織は動きはじめる。

魂の致命的な敵は、毎日の消耗だ…。

おだやかに波のうちよせる入江の砂浜で、若い女の白骨死体が発見されたが、その胴回りは人間とは思えないほど細くくびれていた。

将軍は心に孤独を抱え、武士は破滅に向かって突き進み、若者はおのれの未来を信じた…。

本書は、既刊のものと重複しないように選んだ新たな密室短編のアンソロジィで、昭和30年代から昭和60年代にかけて発表された8作を収録している。

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。

ミステリ作家・有栖川有栖が取材で訪れた雪深い裏磐梯には、地元の人々からスウェーデン館と異名をとるログハウスがあった。